甲状腺疾患

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甲状腺疾患とは?

甲状腺疾患とは?

甲状腺は、のどぼとけの下にある蝶のような形をした小さな臓器で、体の新陳代謝、心拍数、体温、血圧などを調整するホルモンを作る機能があります。この甲状腺の機能が亢進、あるいは低下すると、ホルモンの分泌が多すぎる状態(甲状腺機能亢進症)や少なすぎる状態(甲状腺機能低下症)になります。

この病気は男女問わず発症するものですが、特に30~50代の女性が発症する傾向を多く見受けます。発症すると以下のような症状や合併症へと悪化するため、心あたりのある方は一度練馬区・杉並区の薬師堂診療所へご相談ください。

甲状腺疾患の症状

甲状腺ホルモンの分泌が過剰な場合と低下した場合で、以下のように異なる症状が現れます。

甲状腺機能亢進症の症状

  • 動悸
  • 息切れ
  • 筋力低下
  • 体重減少
  • 大汗をかく
  • 軟便
  • 甲状腺が腫れる
  • 発熱
  • 月経不順
  • 眼球突出
  • 髪の毛が抜ける など

甲状腺機能低下症の症状

  • むくみ
  • 眠気
  • 記憶力低下
  • 無月経
  • まぶたの腫れ
  • 疲れやすい
  • 体重増加
  • 気分が落ち込みやすい
  • 便秘 など

甲状腺疾患の合併症

甲状腺ホルモンの機能は、骨の新陳代謝、心拍数や体温の調節、血液循環などを維持する働きを持つため、症状が進行するとそれらの機能が障害され、以下のような合併症が起こります。

  • 心不全、不整脈
  • 骨粗鬆症
  • 甲状腺クリーゼ
  • うつ、認知機能の低下
  • 粘液水腫 など

中には甲状腺クリーゼや心不全といった心臓の働きに異常が現れ、命に関わるものもありますが、早めの受診と治療で合併症を防ぐことは可能です。

甲状腺疾患の原因と種類

原因

甲状腺疾患の原因は、以下のように複数あります。

  • 遺伝的要因
  • 甲状腺腫瘍
  • 自己免疫異常
  • ウイルスや細菌による感染症
  • 妊娠出産に伴うホルモンバランスの変動
  • 甲状腺ホルモン原料であるヨウ素の摂取過不足 など

特に自己免疫異常が原因となる場合が多く、自身の免疫が甲状腺を標的とみなし、攻撃することで発症してしまいます。

種類

甲状腺疾患は亢進症と低下症に分類され、主に以下の疾患が該当します。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症の代表的な病気として、バセドウ病と亜急性甲状腺炎があります。

バセドウ病は、自己免疫異常が原因で甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。20~30代の女性に多く見られ、男性の約3~5倍と言われています。

亜急性甲状腺炎はウイルス感染が原因と言われており、発症しても1~2ヶ月程の経過で治療が見込める一過性の病気です。

症状はバセドウ病に似ていますが、治療方法は異なるため鑑別には注意を要します。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症の代表的な病気として、橋本病と先天性甲状腺機能低下症があります。

橋本病は、慢性的な自己免疫異常が原因で甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気です。慢性甲状腺炎とも呼ばれ、長期間かけて少しずつ甲状腺組織が破壊されてしまいます。

先天性甲状腺機能低下症は、生まれつき甲状腺の機能や形成に異常があり、ホルモン分泌が低下する病気です。主に新生児スクリーニングで発見されることが多く、長期的な甲状腺ホルモン補充療法を行うことになります。

甲状腺疾患の検査

問診、身体診察

体調を伺いながら、喉の周囲を触診し、甲状腺の腫れなどを把握します。

血液検査

一般的な血液検査だけでなく、甲状腺機能や抗体の有無の検査として以下の項目について調べます。

甲状腺ホルモン(TSH)の測定

通常、甲状腺ホルモン(TSH)の分泌量は一定に保たれ、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌と産生を促しています。血液中の甲状腺ホルモンの増加や低下、変化の有無などを知るために行います。

抗甲状腺自己抗体の測定

抗甲状腺自己抗体は、バセドウ病や橋本病などの自己免疫異常が生じている場合に検出されます。そのため、亜急性甲状腺炎や甲状腺腫瘍との鑑別に効果的です。

抗TSH受容体抗体の測定

抗TSH受容体抗体は、甲状腺ホルモン(TSH)が受容体に結合するのを妨げ、甲状腺を刺激しつづける抗体であり、バセドウ病を引き起こす物質です。血液中の抗体量を調べて、バセドウ病の診断に活かします。

甲状腺刺激抗体の測定

先述の抗TSH受容体抗体には複数の種類があり、そのうち甲状腺刺激抗体を測定すると、抗TSH受容体抗体による刺激がどの程度かをより詳細に知ることができます。

心電図検査

甲状腺機能亢進症や低下症でよく見られる症状に「頻脈」や「徐脈」などがありますが、それらを引き起こすような心臓機能の異常がないかを確認します。

胸部レントゲン検査

気管支、肺、心臓を可視化し、心不全や各臓器の偏りがないかを把握します。

超音波検査(甲状腺エコー)

甲状腺の形・大きさ・炎症・結節・のう胞・石灰化の有無がわかります。また、甲状腺周囲のリンパ節の状態も把握できます。

甲状腺疾患の治療

甲状腺疾患の種類や病状に合わせて、以下のような治療を行います。

薬物療法

  • β遮断薬、解熱鎮痛薬、抗炎症薬(症状緩和のため)
  • 抗甲状腺薬(甲状腺ホルモンの分泌を抑制する)
  • 甲状腺ホルモン薬(甲状腺ホルモンを補充する)
  • ヨウ素剤(ヨウ素不足を補い甲状腺機能を保つ) など

いずれも副作用を起こす可能性があるため、定期的な検査で内服量の調節を行います。

手術療法

甲状腺腫瘍が発見された場合や薬物療法の効果が得られない場合に、甲状腺摘出手術が適用されます。術後は、生涯にわたって甲状腺ホルモン補充療法を受けることになります。

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