検査の説明
医師が検査内容を詳しく説明し、疑問や不安にお答えします
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針生検（CNB）とは？
針生検（Core Needle Biopsy：CNB）は、乳房のしこりや気になる部分から組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。細胞診が細胞レベルでの検査であるのに対し、針生検はより太い針を使って組織片を採取するため、組織の構造までしっかりと観察できます。
練馬区・杉並区の薬師堂診療所では、超音波ガイド下で正確に組織を採取する針生検を行っています。針にはバネの力を利用した特殊な仕組みがあり、素早く安全に組織を採取できます。
針生検は乳がんの確定診断に非常に重要で、良性・悪性の判定だけでなく、がんの種類や性質まで詳しく調べられる精度の高い検査です。
当院の針生検の特徴
薬師堂診療所では、患者様の負担を最小限に抑えた針生検を心がけています。特に以下の点に配慮しています。
局所麻酔で痛みに配慮
検査の痛みを軽減するため、皮膚表面だけでなく乳腺内部まで十分な局所麻酔を行います。これにより、組織を採取する際の痛みをほとんど感じることなく検査を受けていただけます。
超音波ガイド下での検査
超音波（エコー）を使って病変の位置を正確に把握しながら針を刺すため、診断精度が高く、周囲の組織へのダメージも最小限に抑えられます。
より精密な検査が必要な場合はVAB
当院では、より詳細な検査が必要な場合、VAB（吸引式乳腺組織生検）も実施しています。VABは、練馬区内のクリニックではほとんど導入されていない高度な検査機器です。針生検よりもさらに多くの組織を採取でき、一度の穿刺で複数の標本を得られるため、診断精度が飛躍的に向上します。
針生検が必要なケース
以下のような場合に針生検が必要となることがあります。
- マンモグラフィや超音波検査（乳腺エコー）で要精密検査と判断された
- しこりが触れる、または画像で明らかな腫瘤が見つかった
- 細胞診の結果が「疑陽性」や「検体不適正」だった
- 乳がんの可能性が高く、詳しい検査が必要と判断された
- 治療方針を決めるために、組織の詳しい情報が必要な場合 など
医師が画像検査や症状などから総合的に判断し、必要な場合に針生検をお勧めします。
針生検でわかること
針生検では、細胞診よりも多くの情報が得られます。
- 腫瘤が良性か悪性かの確定診断
- 乳がんの場合、その種類（浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌など）
- 悪性度や組織学的グレード
- ホルモン受容体（エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体）の有無
- HER2タンパクの過剰発現の有無 など
これらの情報は、乳がんと診断された場合の治療方針を決める重要な手がかりとなります。
針生検と細胞診の違い
針生検と細胞診は、どちらも乳房の病変を調べる検査ですが、以下のような違いがあります。
- 採取する量：針生検は細胞診よりも多くの組織を採取します
- 診断精度：針生検の方が組織の構造まで観察できるため、より正確な診断が可能です
- がんの詳細情報：針生検では、ホルモン受容体やHER2など、治療方針を決める重要な情報が得られます
- 検査時間：針生検の方がやや時間がかかります
当院では患者様の状態に応じて、適切な検査方法をご提案しています。
検査の流れ
Step01
Step02
局所麻酔
皮膚から乳腺内まで十分な局所麻酔を行い、痛みを軽減します
Step03
組織採取
超音波で病変を確認しながら、生検針を腫瘍の辺縁に固定します。その後、バネの力を用いて素早く組織を採取します。通常2～4箇所から採取します
Step04
止血・圧迫
採取後は出血を防ぐため、しばらく圧迫して止血します
Step05
組織の固定
採取した組織はホルマリンで固定し、病理検査に提出します
採取した細胞は専門の検査機関で詳しく調べ、結果は約10日後に判明します。
検査結果と今後の方針
検査結果が良性の場合は、診察終了または経過観察となります。悪性と診断された場合は、当院と連携しているがん研究会有明病院や順天堂大学医学部附属練馬病院などの専門機関をご紹介します。
検査後の注意点
針生検後は以下のことにご注意ください。
- 検査当日は激しい運動や入浴は避け、シャワーのみにしてください
- 検査部位に軽い内出血や腫れが出ることがありますが、通常は数日で改善します
- 圧迫止血のためのガーゼやテープは、医師の指示に従って処置してください
- 強い痛みや腫れ、発熱などの症状がある場合は、すぐにご連絡ください など
検査後の過ごし方について不安な点があれば、いつでもご相談ください。
