検査の説明
医師が検査内容を詳しく説明し、疑問や不安にお答えします
VAB(吸引式乳房組織生検)
VAB(Vacuum Assisted Biopsy)は、乳房の病変から組織を採取する精密検査です。練馬区・杉並区の薬師堂診療所では、このVAB装置を導入し、高精度な乳がん診断を行っています。練馬区内でも導入例はほとんどありません。
通常の細胞診で使う細い針と異なり、専用の太い針を使って吸引しながら組織を採取します。これにより、より多くの組織サンプルが得られ、詳細な検査が可能になります。乳がんかどうかの確定診断だけでなく、乳がんのタイプ(サブタイプ)まで調べられるため、治療方針の決定に大きく役立ちます。
VABの最大の特徴は、診断精度の高さです。細胞診では診断がつきにくい場合もありますが、VABでは組織量が多く採取できるため、診断のミスが少なく、確定診断に至る確率が高いという利点があります。
細胞ではなく組織自体を採取するため、がんの見落としが少なく、より確実な診断が可能になります。
VABのもう1つの大きな利点は、乳がんのタイプ(サブタイプ)まで調べられることです。乳がんには様々なタイプがあり、このサブタイプの情報は組織生検でなければ得ることができません。
サブタイプの検査結果を持って専門病院に紹介することで、患者様は治療開始までの時間を大幅に短縮できます。当院ではホルモン受容体やHER2などの特殊なタンパク検査も実施し、専門病院での再検査の必要がないよう配慮しています。
VABを当院で受けることの大きなメリットは、専門病院での治療開始が早くなることです。通常、紹介状だけで専門病院を受診すると、そこでさらに検査を重ねることになり、治療開始までに時間がかかります。
当院でVAB検査を済ませていれば、専門病院では遠隔転移を調べるCTやPET-CT、手術範囲を決めるMRIなど、大きな施設でしか行えない検査だけを行えばよくなります。これにより紹介から治療導入までの期間が約1ヶ月短縮される場合もあります。
診断から治療開始までの時間が短縮されることで、患者様の精神的負担も軽減されます。
当院ではVAB検査時に十分な局所麻酔を行い、患者様の痛みを最小限に抑えています。麻酔を打つ際の違和感はありますが、検査中の痛みが抑えられます。
乳がんの確定診断に至る検査方法は主に以下の3つです。
細胞診よりも組織検査までしっかりと行うことで、より確実な診断が可能になります。当院では患者様の状態に応じて、最適な検査方法をご提案しています。
以下のような場合にVABが必要となることがあります。
当院では患者様の状態に応じて、必要性を判断してご提案しています。
Step01
医師が検査内容を詳しく説明し、疑問や不安にお答えします
Step02
皮膚から乳腺内まで十分な局所麻酔を行い、痛みを軽減します
Step03
超音波で病変を確認しながら、専用の吸引装置を使って組織を採取します。複数箇所から採取することで、診断精度を高めます
Step04
採取後は出血を防ぐため、しばらく圧迫して止血します
Step05
採取した組織はホルマリンで固定し、病理検査に提出します
採取した細胞は専門の検査機関で詳しく調べ、結果は約10日後に判明します。
当院でVABによる検査を行い、乳がんと診断された場合は、当院と連携している専門機関(がん研究会有明病院、順天堂大学医学部附属練馬病院、国際医療センターなど)をご紹介します。当院のVABによる詳細な検査結果は、これらの専門病院からも高く評価されており、診療連携がスムーズに行われています。
当院での検査結果や情報は紹介先の病院に共有されるため、スムーズに治療に移行できます。また治療後のフォローアップも当院で継続して行うことが可能です。
患者様の不安を少しでも軽減し、最適な治療へと繋げるため、当院ではVABを活用した高精度な診断と、専門機関との緊密な連携を大切にしています。