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乳頭の分泌物がある時は早めの受診を

乳頭の分泌物とは、片方または両方の乳頭から漏れ出す液体のことです。通常の分泌物はサラサラとした性状で白濁色ですが、粘り気があり灰色、緑色、黄色、茶色などの場合は異常を示しています。
男女問わず起こる可能性があり、分泌物を含め以下の症状が見受けられる場合は、乳頭腫や乳がんなどの可能性があるため、練馬区・杉並区の薬師堂診療所へお早めにお越しください。
こんな症状があれば受診してください
- 胸や乳房のしこりを伴っている
- 分泌物が血のような色あるいはピンク色をしている
- 片側の乳房だけに生じる
- 乳頭をつまむなどの刺激を加えていないのに、分泌物が出る
- 感染症の兆候(発熱、乳頭の発赤、腫れ、膿の排出)がある など
乳頭の分泌物の原因と種類
乳頭の分泌物が多量にある場合は、以下の原因や病気が関わっていると考えられます。
原因
しこり
胸にしこりがある場合、しこりを刺激すると乳頭分泌物が出てきます。しこりを形成する疾患は、以下のようなものがあります。
- 乳管内乳頭腫
- 乳頭感染症に伴う膿瘍
- 乳がん など
乳がん
乳がんの場合、乳頭から血性(血液が混じった)または淡血性(薄い血の色)の分泌物が出ることがあります。片側の乳頭からのみ分泌があり、自然に出てくる(圧迫しなくても出る)ケースが多いのが特徴です。
特に40歳以上の女性で血性の分泌物がある場合は、乳がんを疑う重要なサインとなります。
乳管拡張症
乳頭直下にある乳管が過剰に拡張する病気で、多くは治療を必要としないものですが、乳がんなどの一部の症状として現れている可能性もあるため鑑別が必要になります。
ホルモンの分泌異常
プロラクチンという乳汁の分泌を刺激するホルモンの値が高くなっている場合に、乳頭からの分泌物が過剰になり得ます。
ホルモンの影響によるものなので、両方の乳頭から過剰な分泌物が出ることが特徴的です。
乳房感染症・乳房膿瘍
乳房感染症や乳房膿瘍は、主に出産前後や授乳中の女性、乳房や胸部の手術などがきっかけで生じる病気です。稀に糖尿病やコルチコステロイド(抗炎症薬、抗アレルギー薬)の内服がある方に見受けられることがあります。発症すると乳房の痛み・熱感や発熱を伴い乳頭分泌物が増えます。
乳房感染症が悪化すると乳房膿瘍へと移行することがありますが、抗菌薬や膿を除去する治療によって治癒を目指します。
乳腺症
乳腺症は、女性ホルモンのバランスが一時的に崩れることで発症する病気で、症状の1つに乳頭分泌物があります。
基本的に良性の病気ですので、検査で異常が見つからなければ経過観察が主な対応となります。
種類
乳頭の分泌物には、以下のような性状や色の特徴を持つものがあります。
- 緑色
- 血液が混じった色
- 歯磨き粉のようなサラサラとした乳白色
- 粘液性の白色、白緑色 など
乳頭の分泌液の検査
乳頭の分泌物について調べる前に、身体診察を行います。その上で、病歴、症状の発症時期、身体所見などから必要な検査を選択し、以下のような検査をご案内します。